【音楽のお仕事】クラシック風のレクイエムを編曲しました。

今回は、知人の紹介で山本博子さんという方からご依頼いただきました編曲のお仕事について紹介したいと思います。

依頼内容はというと、亡くなったご主人を想って作詞、作曲をしたという、博子さんご自身でのピアノの弾き語りのデモテープが送られてきました。とても気持ちが込められていましたが、プロの音楽家ではないのでそのままではCDにして出版できるようなクオリティではない為、これを編曲、プロデュースしてほしいということでした。

この依頼を受けた時、これはとても責任重大だなと思いました。亡くなったご主人のことを想って作った曲、いわばレクイエムですよね。さらにはCD付きの本にして出版するということでしたから、引き受けたからには絶対に満足してもらえるような仕事をしなければならないと思いました。

ということで、まずは電話で楽曲の方向性の打ち合わせを行いました。私が提案した内容はというと、やはり今回の目的がレクイエムということで騒がしい感じはふさわしくないのでリズム楽器は用いず、オーケストラ風のアレンジでストリングスや管楽器主体の楽器構成でいくことになりました。また元のデモテープがピアノの弾き語りでしたので、全体的にバックにうっすらと、なおかつ効果的にピアノが鳴っている感じにしました。

また、詞とメロディの構成がやや変則的な印象があったので、間奏としてルルルで歌うパートを入れましょうという提案をしました。さらにイントロがなかったので目的にふさわしい、厳かで、少し悲しくて、そして慰める感じの前奏を入れることにしました。

今回、特に時間をかけて検討したのがイントロなのですが、それを作るにあたって、よりどころにしたのは冒頭の「あのひとに~」のメロディですね。F、Bb、A、C、Gというメロディとリズムが印象的でしたので、これと同じリズムとメロディのモチーフを再構成して物悲しく、かつ希望や慰める感じを4小節で表現しようと心掛けました。この曲に関しては、理論的な分析をしてしまうと本来直感的に感じてもらいたいところが薄れてしまう気がするのであまり書きませんが、簡単に言うと、Cmが悲しい感じで、次のBb/Dが希望感で、その次の、Eb、Fsus4で慰め、厳かな感じというイメージで作りました。

歌の部分についてですが、制作過程の利便性ということで私はよく初音ミクをラフの仮歌に使用します。今回も歌手についてはラフを聴いてもらった段階で、あらためて本物の歌手に歌ってもらうかを検討しましょうという話でした。しかし、ラフを提出したところ、初音ミクのままでOKですということになりました。これは初音ミクの歌声がある意味、本物の歌声よりもよく聞こえる場合があるのかなと思いました。初音ミクが多くの人に愛されているのが分かる気がしました。

最終的に博子さんからはとても丁寧なお礼のお手紙をいただき、無事、本、CDも出版できたということでした。責任重大な仕事でしたがどうにか満足してもらえたかなと思っています。

ダイジェスト試聴

「あなたの心の半分と」作詞・作曲:山本博子 / 編曲・プロデュース:宇童吉克 / 歌:初音ミク

博子さんが出版したCD付きの本