【音楽のお仕事】詞先(しせん)の演歌を作曲しました。【2】

今回は作詞を行った文彦さんからコメントをいただきましたのでご紹介いたします。
また、制作過程での気づき、工夫、大事なポイントなどについても書きたいと思います。

「囲碁人生ウロウロ節」

作詞者:文彦さんのコメント


奥の深い「囲碁」というゲームの面白さを、囲碁用語を使って表現してみました。
アマの初心者が失敗を繰り返しながら上手(うわて)の碁敵(ごがたき)に追いつき、
ついに互先(たがいせん)(対等)で対局する日を迎える喜びを
お汲み取りいただけましたでしょうか?
上達を目指して日々精進を重ねておられる多くの囲碁愛好家の方々、悩んだり行き詰ったとき、
この歌を口ずさんでみて下さい。それで何かを感じ、何かが生まれ、そしてそれが、
「楽しい囲碁ライフ」の定石ともなれば、作詞者として望外の幸せです。


文彦さんがいかに囲碁を愛し、囲碁にまつわる様々な思いを人生に重ねていることがとても伝わってきますね。

さて、今回の制作過程では依頼者の文彦さんと印象的なやりとりがありました。いただいた歌詞にメロディをつけたラフを最初に聞いてもらったところ、こんな感想が返ってきました。「イントロはすごく良いと思います。ただ、ある部分のメロディの感じが、言葉の意味と合っていないように聞こえるのでそこを直してほしいです。」

具体的には、1番の「いつか外れて目がひとつ」、2番の「勝手読みして落とし穴」の部分は当初メジャーコードの明るいメロディでした。しかし、ここは残念とかガッカリという気持ちを表しているので暗めの感じにしてほしいということでした。なので最終的にはマイナーコードで暗めのメロディに修正して、音も長くして小節数もひとつ増やしました。ただ、3番についてはついに互角に渡り合えるようになったという喜びを表しているのでメロディはもとの明るい方にしました。ということで3番のメロディとコードは1番と2番とは異なっているのですが、結果的に面白く仕上がったかなと思っています。1番、2番、3番が全く同じメロディ、コードでなければいけないという固定観念みたいなものがあったかもしれませんでした。

また、歌謡曲やポップスのメロディは通常4小節単位で構成するのが一般的とされていますが、この曲は上記の修正をしたことで、4小節、5小節、4小節という区切りになりました。5小節の部分が不自然に聞こえないかという心配があり、いろんな人の意見を伺ったのですが、特に違和感なく聞こえるようで、上手く調整できたのかなと思っています。

次に編曲の部分の話をしたいと思います。今回は演歌ということで有名な演歌をいくつか参考にしました。そこであらためて気づいたのは演歌っぽく聞こえるコード進行やメロディは結構限られているなということです。いわゆる和声用語でいう基本的なⅠ・Ⅱ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅵ 以外のコードを使ったり、半音階的なメロディ、ペンタトニック以外のメロディを使おうとすると、もう演歌の雰囲気はなくなってしまう場合がほとんどです。今回、暗めのメロディのところでA7のコードを使っていますが、他のコードにしようか慎重に検討したのを覚えています。

次に楽器とオケの編曲の話になりますが、いろんな演歌を参考にしたところ比較的多くの種類の楽器をそれぞれメロディの合間に印象的なフレーズで織り込んでいくという手法が一般的のようです。メロディの休符のところでギターのフレーズが鳴って、次の休符ではアコーディオンが鳴るというイメージですね。今回、採用した楽器、音色は大体次のとおりです。ストリングス、ブラスセクション、トランペット、ナイロンギター、マンドリン、アコーディオン、三味線、鼓、ドラム、エレピ、尺八、グロッケン、ビブラスラップ、ウッドブロック、コンガ、ボンゴ、ベースです。結構ありますよね。。。

ちなみに今回の音源はすべてコンピューターの打ち込み(プログラム)です。カラオケ制作の仕事をしていた時代に培ったノウハウは存分に活用しています。人間が演奏しているように自然な感じになるようにアコーディオンやマンドリンなどのダイナミクスの強弱は気を使っています。

以上のことをふまえて、もう一度聞いてあれこれ感じてもらえると嬉しく思います。

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歌詞・楽譜

ダウンロード⇒ 囲碁人生ウロウロ節