【音楽制作】男性シンガー向けのポップスを作詞・作曲してみる(4)

男性シンガー向けのポップスを作詞・作曲してみる、第4回目です。今回はベースを作ります。

ベースはその楽曲のグルーブ、ノリに大きく影響します。同じドラムのパターンでも、それに合わせるベースのパターン、サウンドによってグルーブは様々に変化します。何が良いグルーブかというのは一概には言えませんが、少なくとも自分が意図したノリなのかそうでないのかは感覚で分かると思います。ちょっとのっぺりして重たいなとか、ちょっとバウンシー(跳ねてる感じ)過ぎるなとか、縦ノリで前のめりな感じだなとか、色々あると思います。

さて、グルーブに関してはベースが大きく影響するといいました。それではベースの何が影響するのか、もう少し深く掘り下げて、ベースにある要素を細分化して挙げたいと思います。

ベースの要素とは

ベースには大きく以下の6つの要素が挙げられます。これらはすべてグルーブに影響し、しかもかなりシビアです。例えばディケイ(音の長さ)をほんの少し変えただけでノリがガラッと変わることはよくあることです。

(1)音色

音色は主に印象、そしてベースが聞こえてくる位置(音響)に影響します。目の前のど真ん中で鳴って聞こえるのか、それとも遠くの下の方にズッシリと響いてる感じなのかなど、音色によって変わります。ベースの音色にも20~80Hzが多く含まれているもの、そうでないもの、8kHz~12kHzのような高周波数帯が含まれているものなど様々です。

(2)ディケイ(音の長さ)

音の長さは非常にシビアで重要です。同じフレーズや同じ八分音符の連続でも音の長さを変えることで印象は千差万別になります。曲のテンポ、意図するグルーブによって最適な音の長さは都度変わります。こればかりは地道に時間をかけて探求するしかないと私は思っています。ただ、ひとついえることはポップスではほんの少しでも音と音との間に無音を入れるようにしています。意図したレガート奏法以外で音を隙間なくつなげることはほぼ無いですね。このほんの少しの隙間が心地よいグルーブを生み出すと私は思っています。

(3)音程(音の高さ)

低い音はどっしりとした安定感があります。反対に高い音はやや不安定な印象になります。さらに、コードのルート音は安定感がありますが、それ以外の音程は不安定な響きになります。ずっと低いルート音を鳴らしていれば、安定感はありますが、長く続くと退屈になりがちです。なので、安定と不安定、これらを上手く組み合わせることでギャップが生まれ面白みやスリル感が増します。

(4)アタック(音の立ち上がり、出音の鋭さ)

アタックが強いベースはパンチがあり、ハッキリと力強い感じになりますが、やり過ぎるとくどくなってしまうこともあります。また、音と音とのつながりを滑らかにしてアタック感をなくす、いわゆるレガート奏法はゆったりとしたグルーブには合いますが、軽快なグルーブが欲しい場合は逆効果になってしまいます。また、アタック感のあるサウンド、レガート、ピッチベンドなどを上手く組み合わせることで、うねりのある独特な感じを出せたりもします。

(5)ベロシティ(音の強弱)

ベロシティもディケイ同様にグルーブに大きく影響する要素です。こうすればグルーブするという決まりはないと思いますので、これも色々試すのが一番早い道だと思います。ただ、大きい音を連発するとのっぺりとした重たい感じになりますし、小さい音だけだとスカスカになってしまいます。強く鳴らすところと弱く鳴らすところを上手く組み合わせることがポイントだと思います。

(6)ドラムとの兼ね合い(特にキック)

ベースはドラムと同様にリズムを刻みます。これは必ずではありませんが、「基本的には」ドラムのキックのリズムと合わせると良くサウンドするといわれています。ただ例外もたくさんありますし、キックとずらしたほうが心地よかったりすることもあるので、これもその時の感覚で判断するしかないと思います。

 

以上をふまえて、今回作ったベースが以下です。

 

これで、楽曲の大きな枠組みは出来上がりました。あとは必要な楽器を足して厚みをもたせ、曲に彩を与えていきます。基本的には「これは絶対必要だな」と思う楽器から作っていきます。ということで次回はギタートラックを作っていきたいと思います。次いで、ピアノ、ストリングス、シンセ系と続いていきます。