オープンストリングボイシングの話【1】

前回、予告編としてオープンストリングボイシングの記事を書きました。今回はオープンストリングの説明と、その考え方を書きたいと思います。

オープンストリングボイシングってなに?

ではまず「オープンストリングボイシング」とは何かという説明です。これはギターなどの弦楽器特有のコードボイシングのことです。ギターでは通常6本の弦が張ってありますね。そして指版のフレットを押さえて音を鳴らします。しかしフレットを押さえない状態でも音は鳴ります。このフレットを押さえない状態のことを開放弦といいます。ギターでは通常の開放弦の音程は6弦から、E,A,D,G,B,Eという音程になっています。この開放弦を鳴らした時の音色は、フレットを押さえた時の音色と比べて独特の響きがあります。具体的には音の太さ、倍音成分、サスティンなどが違います。この開放弦の音程を含んだコード(和音)のことを、「オープンストリングボイシング(コード)」といいます。

オープンストリングボイシングの何がいいの?

では、次になぜわざわざ開放弦を混ぜたコードを使うのでしょうか。その理由は大きく2つあります。一つ目はその響きが独特で、きらびやかで際立つ感じがあるからです。先にも述べたとおり開放弦はサスティンや倍音成分が豊かなため、フレットを押さえて鳴らすコードと比べて響きが独特です。二つ目は、通常では鳴らせない面白いボイシングができるからです。フレットを押さえるコードだと指の数や長さに限界があるため、半音がぶつかるクラスターコードや、5和音以上のコードや、音程の幅が広いコードは、ギターでは演奏が難しい傾向にあります。しかし、開放弦は指で押さえる必要がないので、これを利用して面白いボイシングを作ることができるのです。

前回の例の演奏方法(種明かし)

以下は前回紹介したオープンストリングボイシング参考例です。今回はどのように押さえて鳴らしているのかを明かしたいと思います。

①Amaj7(9,no3)

6弦・・・鳴らさない。(ミュート)
5弦・・・開放弦(A)
4弦・・・6フレット(G#)
3弦・・・2フレット(A)
2弦・・・開放弦(B)
1弦・・・開放弦(E)

②Bmaj7(9)

6弦・・・7フレット(B)
5弦・・・鳴らさない。(ミュート)
4弦・・・8フレット(A#)
3弦・・・8フレット(D#)
2弦・・・開放弦(B)
1弦・・・9フレット(C#)

③Gm7(9,11)

6弦・・・鳴らさない。(ミュート)
5弦・・・12フレット(A)
4弦・・・8フレット(Bb)
3弦・・・開放弦(G)
2弦・・・13フレット(C)
1弦・・・13フレット(F)

④Fm7(9,11)

6弦・・・鳴らさない。(ミュート)
5弦・・・8フレット(F)
4弦・・・6フレット(Ab)
3弦・・・開放弦(G)
2弦・・・11フレット(Bb)
1弦・・・11フレット(Eb)

上記の例以外のもオープンストリングボイシングは何百通りとあると思います。メジャーコード、マイナーコード、ディミニッシュ、ドミナント、テンションコード、クラスターコードなどのすべての種類のコードに、それぞれ3和音から6和音までと、その可能性は多岐にわたります。皆さんも探求してみてはいかがでしょうか。次回は、そのほかの面白いボイシング、響きがきれいなボイシングを紹介したいと思います。