クラシックとジャズの違い【3】テンションコード編

前回のハーモニーの記事で「テンションコード」について軽く触れましたので、今回は「テンションコード」について、もう少し掘り下げて説明したいと思います。前回の記事でも補足していますが、「テンション」はジャズにおいて当たり前のように用いられています。この概念はクラシックの古典派やロマン派には見られませんが、印象派以降では「テンション」と同様の考えに基づいた和音は積極的に使われるようになります。

テンションコードとは

「テンションコード」とは、「テンション」が含まれているコードのことです。なのでコードであることには変わりありません。では、テンションが含まれていないコードの呼び方はあるのかというと特にありませんのでここでは「基本的なコード」とします。欧米では「テンション」のことを総称して「Chord Tensions」(コードテンションズ)といいます。Tension(テンション)は直訳すると「緊張、緊張している状態」です。私の解釈ではテンションのない基本的なコードは落ち着いた響きで、テンションがあるコードは基本的なコードに比べてより緊張感、色彩感があるというふうにとらえています。

原則として、3和音、4和音はテンションコードとは言いません。テンションコードは5和音以上のコードになります。例えば、ドミソ(C,E,G)やレファラ(D,F,A)やミソシレ(E,G,B,D)の和音はどれも、3もしくは4和音なのでテンションコードではありません。これらを構成している音はすべて「コードトーン」といいます。一方、ドミソシレ(C,E,G,B,D)やソシレファラミ(G,B,D,F,A,E)のような和音はテンションコードです。通常、和音は3度ずつ積み重ねていきますので、一番下の音(ルート)から4つ目まではコードトーンでそれ以上の音はテンションになります。先のコードでいうと、ドミソシ(C,E,G,B)がコードトーンで、レ(D)がテンションで「9th」(ナインス)のテンションと呼びます。もう一つは、ソシレファ(G,B,D,F)がコードトーンで、ラミ(A,E)がテンションで、それぞれ「9th」(ナインス)、「13th」(サーティーンス)と呼びます。このテンションの呼び方は「ダイアトニックコード」や「コードスケール」の知識が必要になりますので、また別の機会に説明したいと思います。

説明が長くなりましたが、「テンション」とは、基本的なコードに、一味変わった響き、色彩感、雰囲気を付け足す為の音です。実際、クラシックの和声理論では「付加音」といったりします。ポップスやクラシックの曲をジャズ風にアレンジしたいなんていう時は、基本的なコードをテンションコードに置き換えるテクニックが必要不可欠といっても過言ではありません。

ということで「テンションコード」はコードに緊張感や色彩感を与える装飾的なものというふうに説明しました。次回はこれに付随する「コードボイシング」について書きたいと思います。同じ機能のコードでも「ボイシング」によって響きや印象がガラッと変わります。オープン・ボイシング、クローズ・ボイシング、クラスター・ボイシングに加え、楽器特有のボイシングというのもあります。

 

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